福岡市の高齢者医療研究会 10月のセミナーのご案内です。
10月のセミナーでは特別講師として飯塚病院 呼吸器内科の吉松由貴先生をお招きして、「チームで考え、地域で支える誤嚥性肺炎の診療」というタイトルでご講演頂きます。
https://sonymed-2021oct.peatix.com/view
吉松先生との出会いは日経メディカルの記事でした。
誤嚥性肺炎に関連して多様なテーマを設定して記事を書かれ、とどいた質問には一つ一つ丁寧にお答えしている先生の執筆活動に、誤嚥性肺炎を抱える患者さんへの深い愛情を感じました。
『ご本人やご家族、それから他職種の抱えているちょっとした違和感も、一つだけでは診断に至るものではなくとも、一つひとつを集めていくと、思わぬところでつながって、全体像が見えてくることがあります。ささいな兆しを導き出し、小さな合図にも気づき、つながりを見出すこともまた、主治医の大切な役割なのです。物理的には距離を取らざるを得ない今こそ、心掛けておきたいと思います。』(https://nkbp.jp/3utZRZJ)
『入り口の段階で誤嚥性肺炎であるかどうかを見極めることに必死になるよりも、もしかしたら、誤嚥性かもしれないという認識で丁寧な診療を行う視点の切り替えが、高齢者肺炎の診療には、求められているのかもしれません。』(https://nkbp.jp/39PA1ps)
『 むせていますし、熱は出ます。嚥下体操も、なかなか続けられません。でも奥様との生活と、すっかりお気に入りとなったデイケアで過ごす日常があり、食べたいものも食べています。嚥下の教科書的にも、患者さんからしても、満点ではないでしょう。どのあたりを目標点にするのか、どれぐらいなら満足できそうか。1つではない正解を模索することこそ、誤嚥性肺炎と長く付き合うということかもしれません。』(https://nkbp.jp/3B20KuP)
10月19日(火)のSONYでは、吉松由貴先生にご講演頂きます。
タイトルは「チームで考え、地域で支える誤嚥性肺炎の診療」です。高齢者の肺炎の7割は誤嚥性肺炎と言われています。また高齢者は神経疾患や頭頸部癌だけでなく呼吸器疾患を含む種々の疾病や治療に伴い嚥下機能が低下するため、日常的に嚥下への配慮が求められるようになってきます。
慢性期、在宅へと患者さんが移動するにつれて関わる職種も変化していく中で、各職種が少しずつ知恵をつけておくことで、その積み重ねが患者さんの生活向上につながることになります。チームで情報を共有して地域でつなぐことの重要性や肺炎診療を大きく前進させるかもしれない小さな工夫についてお話し頂きます。
また後半のパートでは、当研究会の訪問を行っているメンバーから症例提示を行い、吉松先生とディスカッションをいたします。訪問歯科医が思い悩む疑問に呼吸器内科医の立場からご意見頂き、議論を深掘りすることができればと思います。
https://sonymed-2021oct.peatix.com/view
誤嚥性肺炎は英語でaspiration pneumoniaと書きます。このaspirationには「大切にしている熱望」という意味があると吉松先生にお伺いいたしました。ぜひ、より多くのみなさまに吉松先生のaspirationを感じる機会にしていただければと思います。
なお、講演に先立ちまして、参加される皆様のご質問を募集いたします。誤嚥性肺炎にまつわる疑問やご質問などがあれば、お気軽に下記フォームよりお送りください。
https://airtable.com/shrL6pVdakx5mBcrx
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
参考資料
日経メディカル 吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/series/yukidr/
誤嚥性肺炎の主治医力 https://amzn.to/39odRdx